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July 22, 2006

木母寺から

我関せず、という感じの猫

以下「向島のはじまり〜森の記憶 町の記憶〜」にて

梅雨晴れ間我関せずとあくび猫
梅雨晴れて自称詩人のひるねかな
草むらに父と子捕虫網踊る
梅雨雲に紅白提灯宵を待つ
木母寺や少女は口寄せ蚊を叩く
梅雨晴れて行方知れずはこの私
石文は享保と読めり枯れ紫陽花

投稿者 yhiraki : 12:01 PM | コメント (0)

July 14, 2006

百軒日記帖 その7 水上アートバスの巻

某月某日
ゆうべも飲んだな。部屋飲みだったけど。
お酒を飲んだ翌朝は、近所のスポーツクラブに行って、ぬるい風呂にゆっくりつかり、限りなくボーッとしてから自転車をこぐと、汗がたっぷり出て、酒も抜けていく感じがして、大変によろしい。
その日も、風呂に入って限りなくボーッとしたまではよかった。が、いつもより余計にボーッとしすぎたのか、湯船から降りる階段で足を滑らせてしまい(まさに階段を降りる裸体)、スッテンコロリン、とまではさすがにいかなかったけど、左足のすねと右足のかかとをしたたかぶつけて、そのときはなんともないと思ってたんだけど、気がついたらかかとが切れて血が出ていた。うーむ。
フロントでバンソウコウをもらって、何事もなかったように新聞を読みながら自転車をこぐ。しかし最近そんな話が多いな。

いったんうちに荷物を置いてから、浅草に向かう。今日は隅田川を行く水上バスの中で、ほうほう堂のダンス・パフォーマンスがあるのだ。
ほうほう堂を見るのは二度目だ。去年、東京都写真美術館に「恋よりどきどき」展を見に行ったとき、会場でほうほう堂が踊っていた。小柄な二人が、館内の階段を降りたり登ったり、展示室から出たり入ったり、靴を脱いだり履いたり飛ばしたり、客をいじったり、ベランダみたいなところに登ったりしていた。
水上バスの乗船場へ行く前に、少し足を伸ばして、このあいだチャンポンを食った店に寄ってみる。今日は皿うどん。具はチャンポンと同じだが、とろみをつけてある。それを、パリパリする麺といっしょに、辛子をつけて食べる。ビールを1本。
乗船場に出発10分程前に着くと、すでに出発を待つ客が列をなしている。が、むろん、これはほうほう堂を見に来た人ばかりではない。はとバスとか、何かのパックツアーとか、そういう団体の客が多いようだ。
墨田区民歴も、もう6年になるけれど、水上バスに乗るのは、実はこれが初めて。
過去のアサヒ・アート・フェスティバルでも、何度か水上バスの中でダンス・パフォーマンスが行われていたのだそうだ。知らなかった。というか、知ろうという元気がなかったのだな、今までは。これからは、こういう機会があればなるべく足を運ぼう。これは生まれて以来の大革命。
船に乗り込むランチで、すでに怪しい身振り手振りをした二人組が客をいざなっている。なぜだかなるべく目を合わせないようにしながら乗船。
ほうほう堂のダンスはそれはそれとして、川面から見上げる両国界隈の風景が、思っていた以上に新鮮でいい。観光客を装って外の写真を撮りまくる。
写真を撮ったりダンスを見たりしているうちに、浜離宮、そして竹芝桟橋に着いた。
しかし、船の上であれだけ動いて、ほうほう堂の二人は船酔いしたりしないのかな。私は、酔わなかった。正直いうと、乗船する前はちょっと不安だったけど。でも、まあ、そんなもんだよね。さほど揺れるわけでもないし。
竹芝桟橋でいったん船を下りるとき、偶然ほうほう堂の片割れが隣を歩いていたので、酔わないんですか、なんてトボケたことを聞いてみた。すると、リハーサルで船に乗ったときはフラっとしたこともあったのだとか。あのダンスは決して即興ではなく、シビアな練習に基づいているのだ。
今度は、隅田川を遡行する船に乗る。アートのれん会のツアーの人たちが合流している。
心なしか、ほうほう堂の二人が行きよりも動き回っていた気がするのは、私自身も船の中を動いていたからか。船内の売店で地ビールを買って飲む。
乗客の多くが外の景色を見ているのに、一部の人たちは船の内部を凝視しているという対比が面白い。まあ、ほうほう堂の二人は外を見ている客にも声を掛けて自分たちのダンスに組み込もうとするわけだけど。
さて、浅草まで戻ってきた。時分どきになったので、酒を飲みに行く。
今日は、前に一度だけ入ったことのある、吾妻橋近くのもつ焼き屋にしよう。
ビールで焼き鳥、シロ、ネギ焼き、それからチューハイを2、3杯。
店のおやじさんに「お近くからですか?」と聞かれたので、石原だと答えると、意外に遠くから来たような顔をされた。じゅうぶん近所の範疇だと思っていたのだが。このへんの距離感はそういうなものなのだろうか。
カウンター奥の客が、うな重を食っていて旨そうだ。この店ではそんなものも出すのか。
酔いで自制心が鈍ってるんだな。誘惑に勝てず、結局自分もうな重を頼んでしまう。旨い。旨いが、酔ってるから何を食ってもおんなじだよ。この分は、明らかにカロリーオーバーだ。まあいいや。明日控えりゃいいんだ。

投稿者 hiraking : 12:41 AM | コメント (0)

July 09, 2006

百軒日記帖 その6 AAF学校の巻

某月某日
すみだリバーサイドホール・ギャラリーの照屋勇賢展をちらりと覗いてから、アサヒ・アートスクエアでAAF学校に参加。
AAFの会期にあわせて開催されているこの連続講座のことを、実はついこのあいだまで知らなかった。墨田区民なのに。
今日は加藤種男氏による「アートとビールの楽しい関係について」というお話。
ビールの製法やその歴史から始まって、氏が先日訪れたという金剛峰寺やそこで食べた精進料理の話へと。どこでアートに繋がるのかな、と思いつつ聞いていると、沖縄の例をとりつつ、神事=祭事においては、お酒と芸事がつきものであり、神の前で奉納する芸能がアートの発祥であった。したがってお酒とアートは切っても切れない関係にある、というところで繋がった。

かつてアートと生活とが密着していた時代があった。昔の家には襖と床の間があり、襖には絵が不可欠である。どんな家でも床の間には掛け軸があり、複製だろうと四流、五流の作品だとうと、少なくとも季節ごとには掛け替えていた。
サラリーマン層、加藤氏の世代のようなおっちゃんがアートから疎外されている、という指摘は、私も意を同じくするところだ。
会場との質疑応答。60代の男性が、カネもヒマもある同世代の男性のアート活動への参加について問う。
その質問を聞きながら、50代、60代が問題じゃないんだ、30代、40代の疎外こそが問題なんだ。ヒマになったから参加するとか、そんな都合のいい話があるもんか、と思う。
加藤氏答えて曰く、その世代には他に面白いことがある。例えば孫や野菜作りなど。
今度は22歳の学生が質問。サラリーマンのアートへの参加ということでは、居酒屋にアート作品を置いたらどうか。
居酒屋を持ち出されては、こちらも心中穏やかではない。サラリーマンは居酒屋に行くから、居酒屋にアート作品を置けばいい、というのは、あまりに楽天的ではないだろうか。また、それはサラリーマンにも、そして居酒屋にも礼を失するのではないか。
このころには、私はすでに会場でその日3本目の缶ビールを開けてしまっており、かなり自制心が緩んでしまっていたので、手を挙げて場内に発言を求めてしまう。
ビールの酔いのせいで、日頃の私には珍しく弁舌滑らか(当社比)だったが、最後は自分でも何を言っているのか分からなくなってしまう。が、言いたいことは、上に書いたようなこと、そして先日のすみだ川びっくりアートツアーの話のときに書いたようなことだ。この話を続けると、際限なく長くなりそうなので、このへんでやめるが、いずれ自分のための覚え書きにまとめて書いておくのもいいかも知れない。
このとき痛感したのは、そうか、アートって20代が主体なんだな。30代のサラリーマンって、アート化?されるべき客体なんだな、と思った。アートの対象という意味では、向島という街も同じだ。
さあ、いま無邪気に発言している22歳の学生は、10年後、まだ現代アートに執心しているだろうか。
マイクを返して、落ち着いて考えてみると、アート居酒屋というのも悪くないじゃないか、と思う。どういう形が考えられるか・・・。
先日のBankARTでの「美食同源」展のとき、これは居酒屋ではないけれど、野毛の三陽の天井から作品が掛かっているのを見た。が、正直いって、三陽という店のもつエネルギーが強すぎて、アートの存在感がかすんでしまっているようにも感じられた。だから、そういうじゅうぶん強い店は、店自体がアートだから、あえてよそからアートを持ってくることはないのだよね。
例えば、阿倍野の明治屋のように、都市開発などのために姿を失いつつある店で、時限的に、何かできないか。あるいは、それとはずいぶん違うけども、和民や白木屋のような、大規模なチェーン店系の居酒屋の、一種のメセナ活動として、アートとの関わりを考えることもできるのではないか。いずれにしても、まあ、夢想だけど。
さっきの22歳の学生氏と言葉を交わしてみると、なんだか気持ちのいいヤツでね。こうヤツも、いつか、サラリーマンや、会社の魔力に飲み込まれていってしまうのかな・・・。
AAF学校終了後、加藤氏はじめ何人かが場所を変えて二次会をするというので、ノコノコ付いていく(またかよ)。吾妻橋を渡って、浅草の雑居ビルの中の居酒屋に入る。
生ビールを飲んでいると、私のジョッキにビールの泡の円弧がきれいに層をなして残っていると指摘される。照屋勇賢展のギャラリーのガラスの壁に配された作品も、グラスに残ったビールの泡をモチーフにしているんだって。いやはや、私も居酒屋修行のかいがありましたかね。その晩は、ビールばっかり、飲みすぎた。

投稿者 hiraking : 05:54 PM | コメント (0)

July 06, 2006

墨田区役所前から

水に浮かぶ島
投稿者 yhiraki : 06:42 PM | コメント (0)

July 03, 2006

百軒日記帖 その5 びっくりアートツアーの巻

某月某日
AAFすみだ川びっくりアートツアーに参加。
向島界隈から錦糸町までぶらぶら歩く。時折小雨は降るが、大降りにもカンカン照りにもならなかったのは幸い。
ツアー終了後、何人かの方が打ち上げにビールでも飲んでいくというので、私もノコノコ付いていく。錦糸町北口のビル地下の居酒屋に入った。
店に腰を落ち着けたところで、よくよく話を聞くと、打ち上げに参加した私以外の方すべてが今回のイベント関係者、あるいは過去に関わったことのある方ばかりで、いやはや、今考えても、冷や汗の出る思い。

しかし、酒が入ると私も気が大きくなってくるもので、いろいろお話を伺う中で浮かび上がってきた思い、すなわち、場所もない、カネもない、だけど美術が好きで、若い作家さんたちを支援したい。そんな人に、何かできることはあるのか?という疑問をぶつけてみる。
ひとつの答え。自分の見たものを言葉にして、それをできるだけたくさんの人に伝えること。
もうひとつの答え。安いものでもいいから、彼らの作品を買ってあげること。そこから広がる関係がある。
さらに、別の人の答え。私も場所はない、だけど、自分の場所がなくても、クラブをハコ借りして、アートイベントを企画する。そして、知っているアーティストに声をかけて、そのアーティストの知り合いを呼んでもらう。
なるほど。それだとリスクはハコ借りの代金だけで、あとは客が来れば来るだけ、そのチャージはアーティストたちのために回すことができる。
しかし、それは若くて人望のある人の場合だよ。今のぼくには、その両方ともない。
せいぜい、今のぼくにできるのは、なるべく多くの若い人たちの作品を見ることくらいだ。実にナサケナイ限りだが、それでも、見ないよりはマシだという一念で足を運ぶ。
もっとも、それには時間的な制約がある。なぜ、ほとんどのギャラリーは、日曜は休み、平日も夜7時くらいで閉めてしまうのか。公立の美術館も同じ。もし美術館が平日8時、9時まで開いていれば、仕事帰りの会社員も気軽に見に行けるのに。
今回の一連のイベントでも、学生など若い人たちが献身的にボランティアとして活動に従事していることには心から敬服する。しかし、なぜ学生ばかりなのか。30代、40代の社会人が、現代美術、あるいは広く文化的な活動から遮断されてしまうような構造的な問題がある。そこには多くの潜在的な美術好きが眠っているかもしれないのだ。
おっと、居酒屋の話はどこかへ行ってしまった。が、若い人たちの熱気にあてられて、ぼくもおかしくなってしまったようだ。こういうことだから、いけないんだな。もう少し自分の年を省みないといけないのだろうが、まあいいや。このまま狂っていきましょう。

某月某日
ゆうべ、近所の焼鳥屋に行った帰り、自転車に乗っていたら歩道の植木にぶつかって、したたか体を地面に打ち付けてしまった。まあ、肘をすりむいたくらいで、大したことはないですけどね。
しかし、朝になってみると自転車のチェーンが外れていたので、少し歩いたところにある自転車屋で直してもらう。修理代、100円。
茗荷谷でひとつ用を済まし、それから新宿に出て買い物。初台に行って帰って、高田馬場に出て、また別の用を済ます。
いったん早稲田通り沿いの鳥やすに入ろうと思ったが、なんだかぼくの気が乗らなくて、すぐに店を出る。それで、さかえ通り沿いの鳥やすに入り直す。
瓶ビール、お酒、それからお酒をもう一杯。焼き鳥4本と、松前和え(鶏肉のわさび和え)。
ルミネのブックファーストで買った、小沢さんの「小沢昭一的新宿末廣亭十夜」を読みながら。
高田馬場の駅頭は、何があったか知らないが(あるいは何もなかったのかも知れないが)若い人だらけ。またも、熱気にあてられる。

投稿者 hiraking : 12:48 AM | コメント (0)

May 11, 2006

両国から

そういや相撲やってんだったな
投稿者 yhiraki : 07:50 PM | コメント (0)

December 02, 2005

本所から

白子焼き
投稿者 yhiraki : 07:47 PM | コメント (2)

November 08, 2005

本所・わくい亭から

投稿者 yhiraki : 09:00 PM | コメント (0)

October 04, 2005

両国・錦糸町・向島

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こんなのが出てた!墨田区報で知りました。
さっそくテルミナで購入。

投稿者 hiraking : 08:07 PM | コメント (7)

September 13, 2005

江戸博から

投稿者 yhiraki : 07:09 PM | コメント (0)

September 04, 2005

両国から

アジのお造り頼んだらさあ、こんな状態でアジの御臨終を見ることになるとは思わなかったよ
この後、頭も骨もから揚げにしてもらってキレイにいただきましたけどね
投稿者 yhiraki : 10:54 PM | コメント (0)

August 31, 2005

錦糸町から

河内音頭
投稿者 yhiraki : 07:04 PM | コメント (0)

July 19, 2005

ジョナサンから

オッサンが二人並んでパフェを食べている。どこか違う星の生き物だろうか
投稿者 yhiraki : 09:06 PM | コメント (0)

July 18, 2005

墨田区石原から

勉強するのも飽きちゃってもう飲んでるんですが
投稿者 yhiraki : 08:44 PM | コメント (0)

July 17, 2005

モスから

そろそろお勉強にも飽きたよ
投稿者 yhiraki : 09:55 PM | コメント (0)

July 10, 2005

キラキラ橘商店街から

投稿者 yhiraki : 03:14 PM | コメント (0)

June 14, 2005

小沢昭一的マニア!〜塩煎餅について考える〜

「毎度申し上げてることですが、われわれお父さん族の味覚は、多く郷愁のようなものから成り立っているのかもしれない、という、これはまぁ私の持論なんでございまして・・・」
「品目で言えば、そういう、子供の時に旨いと思ったのがコビリついたまま今日でもウマイナァと思ってしまうのは、握り鮨、カツライス、それに塩煎餅でありまして、何のかんのと、結局、のべつ食べたがっておりますヨ」
(「ご意見無用、関東塩煎餅仕入れ旅」『ノーテンキ旅 小沢昭一的こころ』)

かように小沢昭一さんも言っているわけでありますが、おんなじようなことを別の文章で書いているのも見たことがあるような気がします。
人がおいしそうにしているのを見ると、自分も食べたくなるのが人情というヤツですが、とはいえ、私の貧しい懐具合では、そうしょっちゅうお寿司(回らないやつね)は食べられないし、トンカツはやっぱりカロリーが気になる(っていいつつ、こないだ目黒のとんきで食べちゃったけど)。
懐具合もカロリーもさほど気にせず、心置きなく買い食いできるのが塩煎餅というわけなんですが、さて突然ですが、この塩煎餅という言葉から、皆さん頭の中でどういう物体を思い浮かべているんでしょうかね。
辞書を引いてみましょうか。

しおせんべい【塩煎餅】
米の粉をこねて薄くのばし、しょうゆで味をつけて焼いた菓子。草加煎餅など。
(新明解国語辞典)

塩煎餅っていうから、塩でもまぶしてあるのかと思ったら,醤油味なのね。
「草加煎餅など」って、ああ、例の。丸くて、堅くて、茶色くてところどころ焦げ目のついたような。ああいうタイプのおせんべいのことを塩煎餅っていうんだ。なるほどねえ。
あれ、もしかして、都内近郊出身の皆さん、あいつはそんなことも知らないのかよ、なーんて思ってませんか。
そうです。煎餅とひとことで言っても、地域によって結構違いがあるようなのですね。
どうやら上に書いたような塩煎餅は関東のもの。関西で煎餅といえば、小麦粉を原料に甘く焼き固めたもののほうが一般的みたい。例えば、瓦煎餅のような。
私が生まれ育った富山県というのも、文化的には関西圏の端っこになるのか、やっぱり小麦粉で作った甘い煎餅のほうがお馴染みだったように思う。
そういえば、子供の頃は瓦煎餅をよく食べてた気がするなあ。気が付くとうちにあって。あれは誰が買ってきていたんだろう。死んだおばあちゃんかな。ピーナッツが入っててね。それから、カルシウム煎餅ってやつ。懐かしいなあ。今でも売ってるのかな。
さて、蒲田育ちの小沢昭一さんにとって、おせんべといえば、もちろん塩煎餅。
冒頭で引用した文章では、小沢さんはあのあと、北は西新井大師から南は羽田の穴守稲荷まで都内を駆け回るわけですが、少年時代から筋金入りの塩煎餅好きの小沢昭一さんが、正調関東塩煎餅を求めて東奔西走しているくだりを読んでいると、だんだんぼくも、宗旨変えして塩煎餅が食べたくなってくる。
私も小沢さんにならって、旨い塩煎餅を仕入れに参りましょうか。
といって、さっそく西新井に行くのもいいんですが、ふと周りを見渡すと、この墨田区は本所界隈、けっこうおせんべいの類のお店が多いのに気づくのですよ。
まず代表格が、亀沢は北斎通り沿いの東あられさん。
店名からわかるように、このお店のメインはおせんべじゃなくてあられなんですが、ところで皆さん、煎餅とあられとおかきの違いってお分かりですか。
なーんて私も、東あられさんのサイトを見て勉強しました。下にURLを挙げておくので各自お調べください。
ここはあられだけじゃなくて、おせんべもおかきもかりんともおいしい。お店で揚げたての揚げおかきはさくさくとして絶品ですね。おっとこれもカロリーが。。
東あられさんのような大手じゃなくても、商店街にひょっこり手作りのおせんべ屋さんが並んだりしているわけでありまして、例えば、石原の三河屋さん。ここでも何度か買ってますよ。おせんべ屋の隣に息子夫婦が最近イタリア料理店を開いちゃって、というのは余談でありますが。
もちろん普通のスーパーやコンビニでも買います。夜中に突然塩煎餅が食べたくなった場合など、さすがに商店街のお店は閉まってますからね。
というわけで、にわかにやってきた塩煎餅マイブーム。
これというのも、もちろん小沢昭一マイブームから来ているのでありまして、次回はいよいよ核心に迫るお話になりますかどうか、この続きは、また明日のこころだァー!

東あられ
http://www.azuma-arare.co.jp/

投稿者 hiraking : 11:50 PM | コメント (0)

December 10, 2004

ただいま開催中

ただいま例の尾崎さんの展覧会を開催中なわけですが、いちおう私も言いだしっぺとして、仕事が終わったら会場に行くようにしています。
といっても、まあ、そんなにお客さんがたくさん来るわけでもなく、事務所の中で尾崎さんや尾崎さんの奥さんやその友達の人たちと無駄話をしたりお菓子をつまんだりワインを飲んだりしつつ、毎晩9時まで時間を過ごしている次第です。
お祝いに自分で持ってきたワインを結局自分で全部飲んでしまうんだから世話ないですよね。
もっとも、尾崎さんはクルマで来てるからお酒飲めないんだけど。
そういうわけで更新も滞っておりますが、場つなぎに今回の展示の写真でもご覧ください。


外から見た会場


夜になるとこうなる


別の角度から


会場の中





作家の尾崎さん(かぶりものをしている人)

投稿者 hiraking : 09:00 AM | コメント (0)

December 02, 2004

尾崎玄一郎個展 "FULL ORDER BAG"

日時:
2004年12月4日(土)-13日(月) 15:00-21:00
※ 12/4(土) 18:00より、ささやかなオープニングパーティーをいたします
会場:
YKK R&Dセンター YKKプラザ
東京都墨田区亀沢3-22-1 (地図)
TEL 03-5610-8040
・JR総武線両国駅東口徒歩17分
・都営地下鉄大江戸線両国駅A2出口徒歩8分

投稿者 hiraking : 06:41 PM | コメント (0)

November 27, 2004

向島から

墨田区長のあいさつ
投稿者 yhiraki : 03:42 PM | コメント (0)

November 07, 2004

向島から

スパイス・カフェでカレーの後のお茶
投稿者 yhiraki : 02:36 PM | コメント (0)

November 01, 2004

両国から

喫茶店「ウール倶楽部」
名前はヘンだが雰囲気はいい
投稿者 yhiraki : 06:30 PM | コメント (0)

October 31, 2004

向島から

墨田区京島のカフェ「rice+」にてビールを飲む
投稿者 yhiraki : 05:06 PM | コメント (0)

October 07, 2004

もう、大丈夫

森下の山利喜に6人で行って、焼酎のボトルを3本空けた。
2本飲んだあたりで、みんなもうかなり出来上がっていたので、今思えば、最後の1本は余計だった。
それでも店を出るころにはすっかり空になっていた。
森下の交差点に出たら、ひげ面の客引きのおじさんがいて、よく分からないけどその人についていってロシア風居酒屋?みたいな店に入った。
そこでも、グルジアだかどこだかのワインやウォッカをくいくい飲んだ。
ここで6人のうち4人は帰った。

家が近いと思うとどうも行儀が悪くなるもので、もう一人、近くに単身赴任で住んでいる人を誘って錦糸町に行った。
何年かぶりに、とある良からぬ店に行こうと思って、良からぬ地帯を探したら、それらしき看板はあったけど、営業はしていないようだ。近くの客引きに聞いたら、1年近く前に店を閉めたという話だった。
しょうがないので、これも久し振りに、また別の良からぬ趣向の店に行こうと思ったら、そこも店の名前が変わっていた。ただ、サービスは同じみたいだったので、そこに入ることにした。
ビールなど飲みながらしばらく待っていたが、女の子は全然付かないし(そういう店だ)、そのうち地震は起こるしで、このまま待っていても埒があかないから、二人で示し合わせてその店は出ることにした。
それで、北口に抜けて、健全なショットバーに入って、黒ビールを飲んでダーツなどした。
ダーツを2ゲーム終わるころには、ぼくはもうかなりお酒が回ってしまって、いろんな意味で限界に達してしまった。
お付き合いしていただいた方には、お世話をかけました。
あれだけ酔っ払ったのは、どれくらいぶりだろう。
今朝はなんとか定時に会社に来たけれど、とりあえず来たというだけで、何をするにも力が入らない。
トイレの鏡に自分を映してみたら、びっくりするくらい顔色が青白くて、いつの間にこんな美白な人になってしまったのかと思った。
物陰で1時間くらい息を整えたら、ようやく体に血が通ってきたようで、いちおう今は、平常の70%くらいの状態には復旧している。
もう、大丈夫です。はい。

投稿者 hiraking : 12:54 PM | コメント (0)

October 01, 2004

ドラゴンズ優勝

なんだかよくわからんが両国に中日ファンが集まる店があるらしくて騒いでいる
投稿者 yhiraki : 10:46 PM | コメント (0)

September 13, 2004

宮古島の泡盛とさんまの味付け缶詰

夜になるとお酒を飲みたい。
知っている店もいいが、どうせなら知らない街の知らない店に行ってみたい。
知らない店で、知らない女とめぐり合いたい。
まあ、それはともかくとしてもですね。
知らない街に行くとなると交通費も宿泊費もかさむので、せめて知っている街でいいから、知らない店に行ってみたい。
そこでおいしいお酒が飲めて、おいしいものが食べられれば、なおいい。
今夜の一軒目、錦糸町は通称ダービー通りにある「T」。
個人で錦糸町の食事どころを紹介しているページがあって、そこに出ていた店。「古いタイプの魚中心の居酒屋で安い」とある。期待できそうだ。

正直、この界隈はあまり柄のいい場所じゃない。キャバクラか何か、水商売の店の客引きの男が何人も立っている。見ると、アラブ人、それともインド人か?浅黒い肌の男が多い。前からこんな感じだっけなあ。
すぐに、それらしき店を発見。外から店の中を覗くと、お客は誰もいない。夜9時過ぎなのに、そんなもんなのだろうか。白木のL字型のカウンターと、テーブル席が少し。それほど大きな店じゃない。カウンター席の一番隅っこに腰を下ろす。
瓶ビールを頼むと、キリンラガーの大ビン。突き出しに青のり?を辛めに味付けしたような小鉢が出る。注文しあぐねていると、かつおの刺身がお勧めだというのでそれを頼む。
ビールが終わったので別のお酒を飲みたいが、この店は日本酒が剣菱しかない。そこで、剣菱の樽酒というのを注文すると、一升瓶のお酒を枡に注いでくれる。樽のお酒を冷やすのに瓶に移したということ。味オンチのぼくには、それが樽酒なのかどうかよくわからない。樽香のようなにおいがしないでもないけど、木の枡のにおいのような気もする。
ビールとお酒、かつお刺しで2200円。
お勘定を済ませて店を出たら、電気を消してのれんを下ろしていた。
まあ、こんなもんでしょう。
もう1軒行こう。知ってる店でもいいんですが、やはりここは知らない店と思い、錦糸町界隈をうろうろするが、どうもぱっとしない。
京葉道路沿いに、沖縄料理と焼酎各種、営業時間は〜Midnightという看板が出ている。入ったことはないけど、店の前を通ったことはある。うーむ、ここでもいいかなあ。
ふと、それだったら、亀戸のラッキーに行ってみようかと思い立った。
宮古島料理で島の泡盛を飲ませる店だ。しばらく前に居酒屋掲示板のオフ会で連れて行ってもらってから(そんなところにもノコノコ顔を出しているのだ)、ずっとご無沙汰している。
一瞬、自転車を駅前に停めて総武線に乗ろうかと思ったけど、よく考えればたいした距離じゃないから、このまま自転車で行こう。
亀戸に着いて、だいたいこの界隈だったかなというあたりを1、2周したら、お店が見つかった。お座敷は満員。多分、みんな宮古の人たちなんだろうなあ。
カウンター席に座り、まずオリオンの生を頼む。料理は、とメニューを見ると、ゴーヤチャンプルー600円、麩チャンプルー800円。これいいですね。お麩にしましょう。食べたことないけど、前に料理本で見て、どんなのだろうと思ってたんだ。
カウンターの上に泡盛のボトルが置いてある。これを飲んでみようかな。聞くと、なんだかお店が間違えて注文したのだか、注文を間違えて受けたのだか、とにかく普段は仕入れていないお酒が届いたのだという。味見してみたら、と言われて、カウンターのお酒と、店でいつも出しているお酒を小さなグラスに少しずつ入れてくれた。
やっぱり味が違いますね。お店でいつも出しているほうが、すごく香ばしい。その「菊之露ブラウン」というのを1杯ください。それから豆腐ようをひとつ。
泡盛をもう1杯飲んで、お勘定。えーと、いくらだったかな。やっぱり全部で2千円くらいだったかな。実をいうと、これだけ飲んだらだいぶ酔っ払ってしまって。
泡盛頼むと、結構量ありますから。それで400円なんだから安いよねえ。
われながら、無事に自転車でうちに帰りつけて、何よりでした。
今回は、帰りにラーメン屋に寄ったか。寄らなかったけど、近所のコンビニで「暴君ハバネロ激辛焼そば」を買ってうちで食べてしまった。
朝起きてコンビニ袋を見たら、どういうわけだか、さんまの味付け缶詰が入っていた。

sanma_ajitsuke.jpg
これがその缶詰

投稿者 hiraking : 06:02 PM | コメント (0)

September 09, 2004

干し芋モソモソ

ゆうべ、久し振りに神田の新八に行ってきた。
正直言ってあまり気乗りのしない会社の人たちと一緒でも、つまんない見掛け倒しのレストランに行くよりは、こういう居酒屋だとワクワクしますな。
というか、近場で無難な店ということで私が選んだわけです。
4人で飲み食いしたら結構な金額になってしまったけど、多めに出してくれた人がいて助かった。ま、それを期待してたところもあったんだけど。
お酒は、神亀ひこ孫のナントカとカントカと、小笹屋竹鶴のナントカを一杯ずつ飲んだ。
相変わらず銘柄を覚えられないぼくには、酒飲みの資格はありませんな。
前に会社の別の人をこの店に連れてきたときは、上の人たちが安い焼酎の水割りを頼むものだから、ぼくだけ日本酒を飲むわけにもいかなくて閉口した。
今回はうまく自分のペースに引き込んで、お酒をいろいろ飲むことができてよかったです。
しかし、その後、行儀の悪いぼくは、案の定、錦糸町でひとり飲み直したのだった。
えっと、まずビール飲んで、ライ・ウイスキーをショットで飲んで、またブラディ・マリー飲んで、締めに黒ビール飲んで。それだけだったかな?
おかげでやっぱり、少し酔っ払ってしまった。
が、今回は帰りにラーメン屋などに行かなかったぞ。
コンビニには寄ったが、なぜか干し芋を買ってうちでモソモソ食べていたぞ。
まあ、ラーメンよりは干し芋のほうがマシでしょう。
このあたりに、われながら成長の程がうかがえる。

投稿者 hiraking : 01:15 PM | コメント (0)

August 31, 2004

飲み過ぎの夜、睡眠不足の朝

ゆうべは居酒屋で生中を3杯と酎ハイを1杯飲んだ。
二軒目のバーでジントニックとブラディーマリーとバーボンをロックで2、3杯飲んだ。
月曜にしてはいささか飲み過ぎである。
しかも、そのあと、うかつにも駅前でラーメンを食ってしまった。
おまけにコンビニでレトルトのスパゲティを買って食ってしまった。
あれだけ飲んだ後ラーメン屋に寄らないのが鉄則と書いておきながら、あっさりとラーメン食っちゃうんだからなあ。
激しく反省の朝なのである。
こうなったら今夜はエアロバイクを2時間漕がないと。
静かに決意の朝なのである。
一軒目の居酒屋は、店の雰囲気もよく料理もおいしいのだが、残念なことにお酒の種類があんまりない。お客はみんなビールかいいちこばかり飲んでいる。
これでお酒の揃いがよければ、居酒屋好きの皆さんにもお奨めできるんだけど。
酔っ払ってベッドに倒れこんで、気がついたら午前2時だった。
小雨交じりの、ならぬ、雨は降っていないが、大風が吹いている。
いつスイッチを入れたのか、ラジオがつけっぱなしになっている。
目を閉じて、半死半生ならぬ、半睡半醒の状況で聞いていた。
ラジオではくるりの3人が喋っている。初めて聞いたけど、結構好感持てる人たちですね。これは今夜の発見。
女性ボーカルで、メロディーは単調だけど勢い良くて、ニューウェーブっぽい曲がかかっている。いい感じだなあと思ったけど、なにぶん半睡半醒なもんだから、曲名もアーティスト名もさっぱり覚えていない。朝になってJ-Waveのサイトで昨日の選曲リストを見たけど、全然わからないぞ。
ということで、だらだらと聞くでも聞かないでもなくラジオがかかっていて、そのうちにくるりの番組も終わって、うとうととするうちに、いつの間にか鳥越さやかが喋っていて、またうとうととするうちに、ジョン・カビラに替わっている。
おいおい、こんな中途半端な寝の状態で会社に行くのかよ。
という、飲み過ぎの夜、睡眠不足の朝。

投稿者 hiraking : 12:58 PM | コメント (0)

April 22, 2004

ちゃんこ対決

もう2週間ほど前になるけれど、両国の江戸東京博物館で「両国にぎわい春祭り」というイベントをやっていたことは、以前も少し書いた。
このイベントの企画で「ちゃんこ対決」というのがあったのだが、なんていうことはない、単にちゃんこ鍋の出店が二軒並んでいるだけで、対決と銘打っているからといって、例えばどっちのちゃんこが美味いかお客さんから投票を募るとか、あるいはどっちの店がたくさん売れたかで勝負を競わせるとか、そういうシビアなものではなかった。言ってみれば、まあ、ぬるい企画である。
ちなみに店を出していたのは、一軒が両国駅前の「ちゃんこ霧島」、もう一軒が「両国パールホテル」。
パールホテルは、和牛ちゃんこ、というのを売りにしており、国産黒毛和牛の肉が入っている、らしい。味付けはしょうゆ味。
一方、霧島のほうは、味噌仕立てのスープに、豚肉とつくね(つみれ?)が入っている。
どちらのちゃんこも一杯5百円、生ビールも一杯5百円。千円札1枚持っていけば、うららかな春の陽気のもと、外の桜など見ながらビール片手にちゃんこが食べられる。
いま思えばいい企画でした。春だけといわず、もっと頻繁にやってくれないかな。今度はまた別のちゃんこ屋が参加してもいい。
さて、このイベントに出店した2種類のちゃんこを、もちろん私は両方とも食べている。
そこで両方食べた私が、あえて今回のちゃんこ対決の勝敗を決めるとすれば、霧島のほうに軍配を上げる。
黒毛和牛って言ったってなー、あんまり有難味が分からないし。なんだか肉そのものっていうより、和牛っていう言葉を味わってるみたいだしね。
もちろん不味いわけではないんだけど。
霧島のちゃんこは、味噌味に、あれはごまの風味なのかな。豚肉に野菜もたっぷりで、鳥と魚貝のつみれ団子もよかった。
いわゆる、ちゃんこ、という感じがしました。
ちゃんこ霧島は、両国駅前の8階建てくらいのビルで営業していて、そのうち2、3フロア除いてあとは全部ちゃんこ屋になっているんだけど、私はまだ行ったことがありません。今度行こう。

投稿者 hiraking : 12:29 PM | コメント (0)

April 11, 2004

突発的本所居酒屋紀行・二軒目

(承前)一軒目と書いたということは、二軒目もある。
今の店は中途半端な気分で出ることになったので、もう少し飲みたい。
実はあと一軒、自転車で前を通るたびに気になっていた店がある。
さっきよりずっと吾妻橋のほうに近い場所で、といっても、自転車ではわけもない距離だ。
あっという間に店の前に到着。看板には「もつ焼き」とある。
自転車にまたがったまま白い暖簾の隙間から中を覗くと、きれいな白木のカウンターが見える。というより、店全体のつくりがまだ新しそうだ。
入ろうか、どうしようか逡巡して、一旦そのまま店の前を通り過ぎる。
ちょっとその辺を一回りして呼吸を整えようと思い(別にそんな必要もないんだけど)、何気なく路地に入ると、そこにも、もう一軒「もつ焼き」の文字の店があった。
しかしこの店は、いま通り過ぎてきた店とは対照的に、時代を感じさせる、というと言葉がきれい過ぎで、もう店全体を煙と脂でいぶしたような感じだ。
が、暗い路地の中にぼんやりと浮かび上がる店の明かりが、なんともいえず魅惑的で、急に方針を変更して、吸い込まれるようにこの店に入った。
戸を開けると、目の前にL字型のカウンターがあって、中で主人らしき初老の男性が串を焼いている。他にも2、3人の若い店員が仕事をしているようだ。
カウンターでは、4、5人連れの若い男女のグループが酒を飲んでいる。
店内を見回すと、思いのほかお座敷が広くて、2、30人くらいは余裕で入れそうだ。
その席がほぼ満員で、こちらにまで客の熱気が伝わってくる。
客層は、お座敷の手前のほうのテーブルで、背広姿の4、5人連れ。その隣におばちゃんが2、3人。
そして、壁を背にした奥のテーブルでは、20人くらいの宴会をしているのだけど、老若男女、それも明らかに外国人らしい姿の人も半分くらい混じっている。これはちょっと謎の集団だ。
さて、何を頼もうか。
さっきの店でお酒を飲んでいたから、お酒を続けてもよかったのだけど、初めての店で勝手がわからないから、様子見に瓶ビールを注文。
すると店の若い店員が、
「すいません、アサヒがもう終わっちゃったんで、サッポロでもいいですか」
と聞いてくる。
そうか、このあたりでは、ビールとくれば何を措いてもまずアサヒなんだな。この店からあとほんの少し行くと、浅草通りに出る。ここは吾妻橋のアサヒビール本社のお膝元だ。
料理は、何を注文しようか迷うときの定番、もつ煮込みを頼む。
程なくビールと煮込みが到着。
この煮込みは、こちらの期待通りのもつ煮込みで、豚もつと牛蒡やニンジンがあっさり目に煮込まれていて、上にネギがたっぷりとかかっている。こういうのが一番好きなパターン。
しばらく飲んでいると、奥の外国人連れの集団から、ひとりおじさんがカウンターのほうにやってきて(この人は明らかに日本人)、中の主人に、店の中で歌ってもいいかどうか聞いている。お酒が入って興に乗って、それでは一曲歌ってみようというのだろう。
話を漏れ聞くと、どうやらフランス人のグループを案内してきているらしい。
店の主人は快諾、ほかのお客さんも異存ないようだ。
おじさんがそれを仲間に伝えると、まず背の高い黒人の男性がひとり立ち上がって、にわかに歌い出した。
カラオケなどの設備はないから、もちろんアカペラだ。
聞いたこともあるようなシャンソンなのだけど、曲名とかまでは知らない。でも、テンポのいい曲で、ほかのお客さんも一緒になって、手拍子を叩いて盛り上がる。
その後も、フランス語、日本語入り混じって、何人かの独唱が続いた。
日本人のまだ若い女性だろうが、「さくらさくら」を歌っている。上品できれいな声なのだが、どことなくもの悲しい。季節的には確かに合っているけど、少なくともこの場所には似合わない感じだ。
しかしそう考えると、日本の歌で、最近のヒット曲ではなく、老若男女の誰もが知っていて、かつ宴会で盛り上がって歌えるようなアップテンポの曲というと、どんな曲になるのだろうか。
ヨーロッパだと、シャンソンにしてもカンツォーネにしても、昔からの伝統的な曲であっても、若い人も違和感なく盛り上がって歌えるような感じで、やはりうらやましい。
ご主人から「何か焼きますか」と聞かれたので、焼き鳥を焼いてもらう。2本で240円。焼きたてもあるのだろうが、この肉が、ぷりぷりとしてうまい。
ビールからお銚子に替えて、いい感じで酔っ払ってきた。
瓶ビール、お酒、煮込み、焼き鳥で、やはり1,600円くらいだったか。
このへんになると、合計金額の記憶が少し怪しい。
一軒目は小料理屋ふう、二軒目は大衆居酒屋ふうと、雰囲気はそれぞれ全然違うけれど、どれも魅力的な店だ。平日からお客さんが結構入っていることからも分かる。特に二軒目の店など、今すぐにでも、もう一回行きたいところだ。
それに、この本所界隈も、ぼくが越してきたここ3年くらいで見ても、どんどん新しいマンションやビルが建っているが、それでもこうした昔ながらの古い木造の居酒屋が、鉄筋のビルの間に生き残っているというのがうれしい。
しばらくは目標を北の方角に定めて、個人活動していこうか。

投稿者 hiraking : 10:23 AM | コメント (0)

April 09, 2004

突発的本所居酒屋紀行

ここでは基本的に、時局論評のようなことではなくて、自分が直接体験したり、見聞きしたりしたことを書こうと思っている。
そうなると、どうしてもお酒を飲んだとか飯を食ったとかいう話が多くなってしまうが、まあそういう生活を送っているということで、ご容赦願いたい。
よく、自分のサイトに飲み歩きの体験記を掲載されている人がいるが、店の名前はもちろんのこと、注文した酒や肴の種類や金額まで克明に書き残されていることに驚く。
ぼくの場合、何という店で何と何を飲み食いしたということは、あまりはっきりと書かないことが多いけれど、それは、あえて明記していないというよりは、まず自分が無頓着でそうことをあまり気に留めていないということと、酔っ払ってしまって結局よく覚えていないということでしかない。
例えば、最近何度か書いている、うちの近所にあるおばあさんが一人でやっている居酒屋、その店の名前さえ、正直言ってよく覚えていない。看板は出ているから、店の前に行けば、ああそうだったということになると思うのだが。
ということで、今朝も少し前夜のお酒が残った頭でキーを叩いている。
帰り際に会社でビールを2、3本飲んだら、勢いがついてしまうというか、うちに帰って着替える間も気もそぞろに、こうなったら今夜は飲むぞ、という気持ちになる。
さて、これまで近所で飲むとなったら、あまり深く考えずに両国や錦糸町のあたりに出かけていたのだけど、そういえば吾妻橋のあたりにだってたくさん店はあるし、そんなに距離が違うわけでもない。むしろ近いくらいだ。
それで、今夜はうちを出て北のほうに向かうことにした。
一軒目、春日通り沿いにある古い木造の店。白い暖簾と赤い提灯が灯る。店の名前は、やはり覚えていない(すみません)。前からこの店のことは気になっていたけれど、入るのは初めてだ。
勇んでガラガラと玄関を開けると、いきなり店のおばちゃんから「定食はやってませんけど、いいですか」と聞かれた。なるほど、定食屋と間違えて入ってきたと思われたか。ということは、あまりふりのお客がひとりで酒を飲みにくるという店でもないのだろうか。ま、そのときはパーカーにジーンズというラフな格好だったし、スーツのまま行っていればまた違ったかもしれない。お酒をいただきますから、と答えて中に入る。
店内は8人掛けくらいのテーブルが二つ、それから小上がりのお座敷がある。厨房は店の奥で、カウンター席はない。店員はおばちゃんが二人で給仕をしている。厨房にはまだ誰かいるのかもしれない。
手前のほうのテーブルに腰を落ち着けた。テーブルの上には、前に座っていたお客さんのものか、お皿やとっくりがいくつかまだそのままになっている。
平日の夜というのに結構お客さんが入っていて、奥のテーブルには背広姿のおじさんが二人、もうかなりの数のお銚子を並べている。障子の陰でよく見えないが、小上がりにも二組ほどお客さんが入っているようだ。テレビでは巨人中日戦を流している。
まず瓶ビールを頼むと、「キリンでいいですか」と聞かれるので、咄嗟に、ええ、はい、と答える。
おばちゃんがテーブルの上のお皿を片付けて、ビールとお通しの柿ピーを持ってきた。
さあ料理だが、壁に品書きを書いた紙が張ってあり、きれいな白い紙だから、毎日か、少なくとも定期的に書き換えているのだろう。値段は高くもないが、さして安いわけでもない。例えば、肉豆腐が780円、菜の花の辛子和えが550円、といったところ。
肉豆腐780円というのは判断に迷うところだが、まあ無難な料理だろうと思って注文。
しばらくして、3人連れの客が入って来て合席になった。
ビールを三分の二ほど飲んだ頃に肉豆腐到着。丼鉢一杯に入っていて、思ったよりボリュームがある。これなら780円でも納得かもしれない。あと、この店の七味唐辛子はなんだか風味がいい。ビールが終わったのでお銚子を頼む。
小上がりの客が一組帰ったので、後から来た相客はそちらに移った。
店のおばちゃんと相客の会話。
「ビールはキリンとアサシ、どっちにする?」
「やっぱりアサシだろ、地元だから」
そうか、このあたりはアサヒビールの地元だった。
肉豆腐でお酒を飲んでいると、玄関が開いて、これから10人で来るが大丈夫か、という声が聞こえる。おばちゃんはゆっくり召し上がってください、と言うが、そろそろ潮時だろう。
お勘定をお願いすると、ビールとお銚子、肉豆腐で1,600円ほどだったか。

投稿者 hiraking : 08:08 PM | コメント (0)

February 09, 2004

ひらきのとびら

開 康寛 (ひらき やすひろ) 1972年富山県黒部市生まれ。東京都墨田区在住。

投稿者 hiraking : 12:00 AM | コメント (2)